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どんぐり倶楽部の糸山先生の雑記帳

絶対学力を育てる[どんぐり倶楽部]の糸山先生が書いている日々の雑感

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2014年12月22日
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ノンフィクション(事実のルポ)「救急精神病棟<野村進著>」より
日本初、救急の精神病患者を専門に受け入れ治療する千葉県精神科医療センターを3年間にわたり密着取材。「精神科救急」と呼ばれる医療の現場をあますところなく精密に活写した。24時間態勢で最前線に立つ医師、看護師たちの闘いと苦悩と喜び、新薬の登場、そして精神科医療の大変革を描く渾身のノンフィクション。
下記に出てくる子(榊原麗那)の台詞は、相当に的確な事象認識と分析が組み込まれている。かなり正確にだ。
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<引用:単行本>
『榊原麗那(仮名)の母親は、早期教育というよりも”超早期教育”の熱心な実践者だったらしい。麗那が生まれて首が据わるか据わらぬかのうちに、大手チェーン展開をしている幼児教室に麗那を入れた。絵や文字を描いたカードを、ぱっぱっと見せて瞬時に言い当てさせたり、英語のテープを子守歌代わりに聞かせたり、家中の家具や電化製品に大きな名札を付けて、仮名と漢字とアルファベットを描きこみ、いつでも復唱させたりと、”知能開発に熱を上げたそうだ”。
さらに、英会話、ピアノ、バレエと一週間のうち習い事に通わぬ日は一日たりともない生活を、麗那は送った。そのかいあってか、彼女は二歳までに平仮名・片仮名とABCを完全に身につけ、五歳の頃には小学校で学ぶすべての漢字や日常的な英会話もマスターしていた。幼児教室の全国テストでトップクラスの常連であることが、母親の自慢だった。
さる国立大付属の小学校に進み、そのまま中高と進めたにもかかわらず、中学受験で毎年、東大入学者数の上位に名を連ねる、いわゆる”名門校”に合格する。小学生のときの麗那の夢は、「科学者になってノーベル賞をとること」だった。母親は三歳下の安那(仮名)にも、同じ教育方針で臨み、麗那の通っている中高一貫校の中学に入学させている。』

 学校の担任やカウンセラーや精神科医から、麗那の精神状態が不安定になっていったきっかけを訊かれるたびに、母親は思い当たる節がないと言葉を濁してきた。<中略>
 麗那は部屋に引きこもって、読書やネットサーフィン、映画ビデオ鑑賞で一日を過ごすようになったが、やがて昼と夜とが逆転し、部屋に鍵をかけてしまうので両親にも何をしているのか皆目わからなくなった。毎日、起きてくるのは昼過ぎで、夕方まで寝ていることもある。ぶつぶつひとりりごとを言ったり、意味もなく笑いながら部屋の空間に視線を泳がせている姿に、母親は不安をつのらせていったが、そのうち麗那が奇妙なことをしゃべりだした。この家には無数の小人がいて。深夜になると、キッチンやバスルームの換気扇から入り込んでくるのだとう。かと思えば、いきなり妹の安那の部屋に入ってきて、喜色満面の表情で、
「すべてわかった!私は、小宇宙で大宇宙とつながっている!安那も小宇宙で大宇宙とつながっているんだよ!」と、大声を妹に浴びせた。

心配でたまらない母親が医者に連れていこうとしても。かたくなに拒みつづけるので、やむなく麗那には内緒で都内の某メンタル・クリニックを訪ね、処方された薬(商品名セレネースハロペリドール)を持ち帰って、医者の説明どおり、「気分が落ち着くから」と服用させた。
ところが、一週間ほが過ぎた頃から、麗那の体に異常が現われる。そわそわして、激しい貧乏ゆすりのような動作を繰り返したり、発作のごとく首をがくんがくんと後ろに反らせたりした。
<引用終わり>


<引用:下記(榊原麗那)の台詞は、的確な事象認識と分析が組み込まれているかなり正確な言葉である:具体的なSOSの連呼である...医者も親も気づいていない>
精神科医に:
『精神科の医者なんて、医学部の”落ちこぼれ”がなるんでしょ』
『また間宮先生か。キミも良く続いているね。そのバカ面も変わらないけど。さっさと診察して、診断してよ。』
〜妹さんの首を絞めたり、車の硝子を割ったりするのは、いくらなんでも…
『やりすぎだって言うの?そうさせた原因が、もしかしたら自分にあるかもしれないとは考えないわけ?もし考えないとしたら、キミこそ精神療法を受けたほうがいい。是非ともおススメいたします。老婆心ながら』
『逃げたね、キミはときどき巧みなレトリックを使うから、私も考えさせられるけど、基本的にはおバカだから、患者のことがちっとも把握できない』

父親に:
『アンタは何かを言う資格が、この地球上で一番ない人。アンタ、私が薬でだるくてどうしようもない時、「なまけてないで、ちょっとは動け」とか「少しはお母さんの手伝いでもしてみろ」とか、父親ぶってお説教したよね。こっちが具合悪いのに、そんなことお構いなしに。それと前に酔っぱらって「おれはライバルを蹴落としてのし上がってきた」とかなんとか。 (中略)
とっくに””仮面夫婦”なのに、こういうときだけ娘を心配する父親の演技しやがって。まったくたいしたアカデミー賞級の演技だよ。アカデミー賞って言っても、日本アカデミー賞だけどね。』

母親に:
『よくもまあ「一生懸命」だとか「反省」だとか「向き合ってる」だとか、おバカな医者やナースが何にも知らないのをいいことに言えたもんだよ。ジジイがジジイなら、ババアもババアだ。いまアンタが言った、その「反省」とやらを、アンタ自信はしておられますか?無力な子供を自分の「人工生命」みたいにしやがって、その人工生命が壊れたら、さっさと精神病院に送りこみやがって。その「反省」とやらを地獄の底に降りても続けなけりゃいけないのは、この壊れた人工生命を海、そして育てたアンタだよ。第一、アンタはこの壊れた人工生命やそのかわいそうな妹を置き去りにして、一度家出してるじゃないか。そのことの「反省」はどうなってるんだって言いたくなるよ!』
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Q:さて、彼女を救うことができたはずの一瞬が書いてありました。どこで誰が何をしたらよかったかわかりますか?

●どんぐり理論を知っていると、このようなこともハッキリ分かります。

 謝ることを実践した場合の一例