どんぐり倶楽部の糸山先生の雑記帳

絶対学力を育てる[どんぐり倶楽部]の糸山先生が書いている日々の雑感

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2015年01月02日
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2012年の実例:6年女子Aさん。

毎週金曜日4〜5回来ていますが、今だに、直ぐに「分かりません」と言って、当たり前のように、何も考えないで、途中で持って来る。絵を描くように言われているので、一応、絵は描いてあるが、自分が描いたその絵を見て考えてはいない。典型的なパターン学習(コピー学習障害)が原因である、見ることができない。見て考えることができない。という状態の子である。学校では<優等生>であり、成績もトップクラスである。学校では、暗記とコピーの確認しかテストしないので、当然である。うまり、学校の成績は学力を表してはいないし、表すことは物理的に不可能な仕組みになっているということだ。

 

「よく見てごらん。分かるから。」と言って、席に戻すが、見ることができないので、全く進まない。絵の中に答えがあることも、絵で考えることも、誰にも教えてもらっていないからです。しばらくして、また、「分かりません」となり、それでも頬って置くと、今度は、「どうすればいいんですか」と言う。

 

普通はこのへんで、絵を見始めるのだが、優秀だと判断されている子供はコピー学習の方法(考えない方法)が強固に身についているので全く頭が動き出さない。「どうするんですか」とは「私は自力で考えるつもりはありません」ということです。

 

これでは、思考力養成は無理である。と言うよりも不可能である。

彼女の名誉のために言っておくが、能力の話ではない。考えないように育てられてしまった結果である。彼女は、十分に考える能力を持っている。そんなことは、ー目見ただけで分かる。だが、考えられなく育てられてしまっているのもー目で分かる。特に、割り算がメチャクチャである。計算はできるが、見事に意味を分かっていない。チンプンカンプンである。見事に解けない。もう一度言うが、学校では「優秀」なのにだ。

 

当然ながら、割り算チェックによく使われる「どんぐり問題:クジラの太平洋往復競争など」は、一問も解けない。学年を2学年落としても解けない。学校ではトップクラスの子です。学校でトップクラスの小6が、どんぐりの4年生問題を全く解けない。小2問題でも半分は解けないだろう。学校の勉強は大丈夫なので問題ありませんと言う親御さんが多くいるが、実体はこういうことである。判定できる問題で判定しないと、その子の本当の状態は全く見えてこない。意味が分かっていないのだから、見事に解けない。親は、顔面蒼白である。12年間、やってきた教育が、全て学力養成(思考力養成)とは、無関係の単なる作業だったと知ってしまったのだから無理もない。誰だってショックだろう。

 

ところが、不思議なことに、この期に及んでも今までの勉強方法を止めない人がいる。最後の砦を簡単に放棄するのだから信じがたいことこの上ない。捨てぜりふを吐いて起こってしまう人さえいるのだから呆れる。自分の失敗を認めたくないのはわかるが、子供の一生に関わることで「それはないだろう」と思う。頭には来る、ガッカリもする、力も失せる、焦燥感は募る。当たり前だ。それだけ勘違い教育をしてきたのだからね。しかし、「ここは、そんなことで肩を落としている場合ではないだろう。子供の将来のために、ひと頑張りするところじゃないのか。」といつも思う。親の力量が試される時ってのはこういう時である。本当に「子供のため」を思うのであれば、自分の失敗は素直に受け入れなければならない。そうしなければ、先には進めない。大失敗を大成功に転換できる最後の砦は大事に慎重に、でも大胆に、そして、迅速に実行すべきである。

 

実は、割り算が分かっていないということは、掛け算も分かっていないということである。つまり、これだけ計算練習をして、計算を速くできるように(学校と家庭で)したのに、計算を使うことが全くできない頭を育ててしまったということだ。それなのに、学校では、コレで済むわけだ。これが学校では、思考力養成ができない決定的な理由であり、動かぬ、物的証拠である。ということは、思考力養成のヒントもまたココにあるということである。まさに、思考の忍耐力と継続力がない。もう一度、言っておくが、

学校では、典型的な「できる子」である。その子が、どんぐりポケットでは、スタートラインにさえ立っていない新人なのだ。内容はともかく、学ぶ姿勢としては、明らかに、どんぐりっ子の年長さんにも劣る。また、楽しく考えるという点においては、ー生かなわないだろう。これが<差>である。残念で残酷だが、ー生埋められない差である。本当の学力差は、テストなどしなくても誰にでも分かってしまう。どんぐり方式ならば、だ。

 

もちろん、「頭の健康診断」でも分かります。是非、ご利用下さい。ただし、ご利用の際は、ルールを守って丁寧にお願いします。

 

<参考:小2位までなら環境設定で簡単に修正可能>

2年生Bさん。1年ほど前からどんぐりっ子である。手を動かして、何度も絵を描き直して、何度もうまくいかなくて、でも、その度に「あ〜、アッハッハ」と笑って、またまた描き直しをする。で、最後まで考え切って、正解である。その時の問題と作品がコレである。人生そのものの楽しみ方がココにある。でしょ。

間違うことを恐れない。工夫を楽しむ。当然、何にでも対応できる本当の学力がムクムク頭をもたげてくる。笑いながらね。