どんぐり倶楽部の糸山先生の雑記帳

絶対学力を育てる[どんぐり倶楽部]の糸山先生が書いている日々の雑感

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2014年06月26日
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「最初に選びたい学習方法」

●どんぐり問題の使い方を中心に、どんぐり理論を平易に解説した入門書です。<現在は上・下別冊>

*主に、千葉教室の<ちゃこ先生>に書いて頂いています。

*今読み返してみても、とても良く出来た解説書になっています。

<はじめに>

 どんぐり問題は算数の文章問題という形をとっていますが、単なる算数の応用問題ではありません。また、確実に思考力養成が出来るように仕組まれていますので、思考の本体ではない「算数語」という「計算式」は、あまり重要ではありません。特に、低学年では「式はいりません」と言ってもいいくらいです。ただ、答えにたどり着くには、複雑な計算を要求されますので、小4前後から計算式も書くようにすれば、どんぐり問題だけで計算力も育てられます。

*算数の問題なのに計算式を書かなくてもいい。

…では、何をすればいいのでしょう?

…絵を描くだけです。

 

 おやつを食べながら、ジュースを飲みながら、鼻歌を歌いながら、楽しく絵を描く。それだけでいいのです。絵は得意じゃないというお子さんもいらっしゃるでしょうが、そのような場合でも、なるべく、描きたくなるような雰囲気を作ってあげて下さい。これは、とても大事な事ですので、出来るだけ工夫をして、子供自身が自分で絵を描くことを楽しめるようにしてあげて下さい。それだけで、どの教科にも応用でき、一生使える「考える力」と、分からないことに対しても、マイナスのイメージを感じるのではなく、ワクワクするプラスのイメージを持ち、その分からないことさえも楽しく考えることが出来る心が育ちます。

 

■目次(上)

□はじめに□分かるということ・考えるということ□どんぐり問題のやり方□保護者・指導者・先生へ□本当の学力□こんな時どうする?どんぐり問題Q&A□どんぐり問題を楽しむ工夫□学校の勉強もどんぐり流で□各学年の簡単な解説(年長□小3)□どんぐり問題作者より

■目次(下)

□はじめに□考えるということ□覚えるということ□危険な丸暗記□高学年の「どんぐり問題」□保護者・指導者・先生へ□高学年のどんぐり Q&A□中学受験の注意点□各学年の簡単な解説(小4〜小6)□補足□あとがき□どんぐり問題作者より

※高学年でも低学年用の問題から使用して下さい。考える方法は学年に関係なく、同じ方法だからです。「急がば回れ」 在籍学年より下の学年の問題をすることは、一見回り道に見えますが、実は近道なんです。誰もが、大きなジャンプをする時には、膝を曲げて準備する時間が必要だからです。シッカリ膝を曲げて、大きく大きくジャンプして下さい。

 

<抜粋>

■使用上の注意

1.まとめてやらない。1週間に1~.2問が最適。

*宿題も含め、余計なこと(単純作業的思考)はさせずに主体的に工夫して遊ぶことが大事。

2.ゆっくり、ジックリ、丁寧に解く。高速学習法との併用はしない。

3.必ず絵(図) を描いて、目で考える。絵(図) を描かずに「分からない」は「考えていない」証拠。

4.暗算はしないで、筆算を記録しておく。暗算は「十の補数と九九」に限定する。

5.間違いに気づいても絶対に消しゴムを使わない。思考の軌跡が大事。

6.考える過程(特に、工夫して考え始めるまで)が大事なのでヒントはもらわない。

7.どうしても解けなければ、一ヶ月後(あるいは、夏休み)に再挑戦する。

8.たとえ、直ぐには分からなくても「分からな~い」と言って諦めない。絵(図) は描ける。

*消しゴム厳禁。間違ったら×を書いておく。

* 一題ずつ、切ってノートに貼って使います。1~.2 ページに1題。

* ヒントは厳禁です。語句の説明はOK。漢字の読みと意味は教える。

 

2014年06月26日
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■使用方法:切り取ってノートに貼って使います。

1.読むのは1回だけ。一行ずつ、「読んで描く、読んで描く」ことが大事。

*一度で読みとれるように練習することが、重要なので「何度も読みなさい」とは言わない。「何度も読みなさい」

と言うと「何度読んでもいいんだから~.」

 になります。「一度しか読めないからー」という覚悟を育てることが大事。

*一読絵コンテ読解(どんぐり方式)は、国語の読解力や授業の理解力養成にもなります。

*特に言葉(会話や授業なども含みます)は1回しか聞けない上に瞬時に消えてしまいます。聞く力を伸ばすために

 も「何度も読みなさい」とは言わない。

 時間をかけても、一読で絵図を描けない場合や、分からない場合は、キチンと間違って「分からん帳(お宝帳)」

 に入れて、後日、挑戦します。

2.消しゴムは絶対に使わない。

*考えた(考え直した)軌跡が子供を理解する好材料になるので、消しゴムは使わないようにする。この記録が宝物

 となる。

3.分かっても絵図を描く。

*描くことを楽しむ。「解ければいい」ではもったいない。絵図を描くことで、初めて見えてくるものがたくさんあ

 る。最も効果的な思考回路養成になる。

4.描いたら文章は見ないで絵図だけで考える。

*絵図を使って(参考にして)頭で考えるのではなく、絵図そのもので(目で)考える。これが大事。

5.答えが見えるように絵図を描き直す。

*絵図を描き直すことで、柔軟な思考回路を作ることが出来る。

6.答えが出たら(見えたら)計算して確認する。

*必ず筆算で計算する。暗算ができても、暗算は「10 の補数と九九」だけに限定する。少量を丁寧に味わうことが

 大切。

7.要求されている設問内容に合わせて丁寧な計算式を書く。

*計算式は算数・数学の言葉なので過不足無く書き出す。筆算はメモなのでここでは不要。

8.答えは計算式とは別に単位に注意して書き出す。

*答案用紙には「絵図・筆算・計算式・答え」が必要ですが、小3~.4くらいまでは絵図だけでも結構です。

 線分図は、最も応用の利かない絵図ですので、特に低学年では使わない。

…………………………………………………………………………………………………………………………………

■ヒントについて

・原則禁止ですが、全く知らない語句だけは教えます。ただし、「分からない・知らない」と言われて

 直ぐに、「それは~.」ではいけません。知っているのに使えない(思い出せない・利用できない)だけの

 場合が多いからです。ここに気付かずに説明してしまうと

 <知っているのに使えないから聞く>→<その場だけ出来る>→<また聞く>の悪循環になります。

・「分からない・知らない」語句でも、子供の記憶・経験の中で説明できるかどうかを探りながら、

 子供自身に自分の記憶を再現させることで理解させることが非常に重要です。

・ 読む練習ではありませんので、特に低学年では、読めても読んであげる方が効果的です。

「読めるから読ませる」「読みの練習になるので、ついでに」は思考力養成を妨害し、エネルギーを浪費させ

 ることになります。

・低学年では、読むことに全く抵抗感がない、あるいは、本当に読むことが好きな場合にのみ、自分で読み

 ながら進めて結構です。反対に、高学年では、黙読しながら解いていくように、徐々に環境を設定して

 あげて下さい。

※学年配当漢字以外の漢字使用や、重複問題、単位の変更(匹→人)、学年では習わない大きな位の数字などは全て

 意図的な配慮ですので、変更しないで使っていただいたほうが効果的です。また、問題を解く順番は気にする必要はありません。 学年もこだわらなくて結構です。

 

2014年06月26日
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□どんぐり問題作者より■視考力を活用した思考力養成のためのテキスト…の意味

 この良質の算数文章問題、通称「どんぐり問題」は、これまで、幼児・児童期に成長する全ての思考力の源となる思考回路養成の壁となっていた、言葉の本質的誤解に基づく「高速・反復・多量」学習の致命的な欠点を克服し、言葉に惑わされずに思考そのものを育てるためのテキストです。

 算数の文章問題という形をとった言葉から視覚イメージを再現し、思考という視覚イメージの操作を施して、その過程を自分のオリジナルの思考回路として育てていく。これが、目で考える力・視考力を活用した思考力養成です。データに過ぎない知識、記号に過ぎない言葉、単純処理の繰り返しに過ぎない計算、これらのことを、どんなに高速に多量に処理し蓄積しても思考回路を作る事は出来ません。データと回路は全く異なるのですから、作り方が異なるのは当然です。ところが、データを蓄積すれば自然に思考回路が出来ると勘違いしている人が大勢います。それが、これまでの根本的な勘違い学習方法を浸透させ、偶然教育しか出来なくなった原因だと思います。そして、その方法は依然として尤もらしく教育界を闊歩しています。

 水路を作らなければ船は使えないのに、船ばかりを造って、その船の数や性能を喜ぶのは、本末転倒です。まずは、幼児・児童期にどこにでも行ける水路を作る。水路を作るのには、誰もが自在に使える持って生まれた視覚イメージという道具を使う。そして、十分な水路が出来たところで、自分が使いたい、あるいは使わなければならない水路に適した船を導入する。高速船か、運搬船か、トロール船かは使用環境で変える。つまり、船の導入は、幼児・児童期にすべきことではないと言う事です。必要になったら、その都度、最適な船を導入すればいいだけです。水路さえ出来ていれば、何の心配もないということです。

 

■表紙の添削例について

 今回、表紙の表裏を使って、全問題の添削例を公開しました。見づらいですが、参考にはなると思います。どんぐり問題に正解はありません。問題を解いた子供自身のオリジナルの解答過程が、その子の力になる正解だからです。答えはオマケというのは本当なのです。大事なのは思考回路となる考える過程そのものだからです。ですから、添削例の真似はしないで下さい。大人が添削例を見るのは、いつでも結構ですが、子供が見る場合には、問題にとりかかる前ではなく、終わった後に参考として、違う考え方を楽しむために見る事をお勧めします。また、細部や他の添削例を御覧になりたい方は「どんぐり倶楽部」のHPにお越し下さい。HPでは、2000例以上の添削例が公開されています。

 

■ヒントになる絵図があってはいけない理由

 ヒントになる絵図が最初から描いてある問題集がありますが、どんぐり問題では一切ありません。それどころか、ヒントにな

る絵図は絶対に見せてはいけないというルールがあります。その絵図を自力で描き起こす事そのものが、思考力養成の第一歩になるからです。ですから、この最初の一歩には十分に時間をかけなければいけません。そこからオリジナルの思考回路が作られ、初めて応用が利く思考回路を手に入れる事が出来るからです。

 

■EX問題について

「どんぐり問題・下」には、EX問題を付けています。これは、どんぐり倶楽部のオリジナルではありません。出典は下記の中

学・高校入試の文章問題です。

EX001:平成17年慶應湘南藤沢中等部【4】(1)(2)/EX002:平成17年成蹊中学校【3】(1)(2)/EX003:平成13年福岡県公立高校【2】/EX004:平成18年灘中学校1日目【3】/EX005:平成18年武蔵中学校【3】/EX006:平成20年麻布

中学校その2【3】

*EX問題は2008年夏に出典は伏せたままスペシャル問題として、設定は全く変えずに登場人物だけを変えて公開添削の募集をした時の問題です。ですから、問題を解いた子供達は、いつも通りに、普通に絵図を描いて楽しく解いています。受験で使うとされている「**算」など一切知らなくても、教えられていなくても、自力で普通に解けるという事です。

 

■読解力養成について

●保護者・指導者へのアドバイス:どんなに「読み聞かせ」をしても、どんなにたくさんの本を自分で読んでも、どんなに集中しても「読解力とは文字を視覚イメージに変換することである」ということを知らなければ読解力は育てられません。また、その再

現した視覚イメージから感覚や感情を再現する事が出来なければ、豊かな感性を保っておく事は出来ません。そして、幼児・児童期にできる読解力養成とは、実は読書ではないのです。日常生活(特に正常な時間の流れを感じられる自然の中での遊び)を通して感覚・感情を含む原形イメージを、たくさん蓄積する事が読解力の素になるのです。読書が有効になるのは、この豊かな原形イメージを蓄えた後の話です。ですから、幼児・児童期の読書は本人が好きなものを味わう程度にしておく事が最も効果的なのです。

 

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■学年別の留意点

●年長:

・絵本の読み聞かせをしているような雰囲気で、一行ずつをゆっくり味わい、一行ずつを楽しくお絵かきする。

●小1:

・言葉からの視覚イメージ再現を楽しむ。

・答えはオマケ。

・お絵描きに夢中で進まない、が理想的。

・上手下手に関係なくオリジナルが大事。

・豊かな表現力の源となる感味力養成が大事。

・読んであげる方がいい。

・自分で読めるから読ませるのはストレスになる場合が多い。

・数が確定していないものでも意識できるようにする。

・見えないものを見る力(描く力)が決め手!

●小2:

・計算式は書かなくてもいい。

・計算を気にしないように「書かないほうがいい」場合も多い。

・こう考えれば解ける、という筋道、自力で工夫して探し出せるようにする。

・答えまでの「理論展開」を目でできるように絵図を描く。

・構図による理解が大事。

・視考力を使った思考力養成であること を忘れないようにする。

●小3:

・視覚イメージの再現に加えて視覚イメージの操作(思考)力を視考力を活用して思考力養成をする。

・絵図を描いても絵図を使わずに、計算式だけで答えを出そうとする場合には要注意。

・不要な言葉は書き込まない。

●小4:

・「絵図・筆算・計算式・答え」の4点をセットとして書けるようにする。

・絵図から導いた計算式(算数語)を意識すること。

・途中式(推論の軌跡)を丁寧に書く。

・問題文にない数字は必ず計算式で出す(算数語で書いておく)。

●小5:

・「絵図・筆算・計算式・答え」を書く場所を分けて見やすく整理しながら書く。

・視考力のブラッシュアップ。

・簡潔な絵図でいいが、線分図は避ける。

●小6:

・過不足無く、全体を見通しやすいように、一目で理論展開が理解できるように絵図を工夫して描く。

・誰が見ても分かるように描く。

・プレゼンテーション・表現力をも含めた視考力を活用した思考力養成の仕上げ。

 

■全般的な注意

*自分で描いた絵図をよ~.く見ることが全てです。何回も見ること。

*読むのは1回ですが絵図は何回も見ることが大事。

*言葉で考えずに「こうしたらどうなるかな?どうみえるかな?」と目で工夫すること。

*偶然に思えても、それは偶然ではなく目が考えているんです。なぜなら、無限の数字や絵図の中から偶然に答えに結びつく数字や絵図を選ぶ事などあり得ないからです。

*作図中には言葉での説明は極力少なくするのが、絵図を移動変形しやすくするコツです。言葉は視覚イメージ操作の邪魔をする(思考の流れを止める)からです。特に、文字を早くから覚えさせられたり、使わせられたりしている子供達は、絵図だけで、考える事に不安を感じ、注釈のような文字での説明を絵図の中に書き込む事がよくあります。見ている方としては分かりやすく説明がついていていいのかもしれない、と思いがちですが、いい傾向ではありません。これは「勇気がない」「自分に自信がない」「文字での説明がないと不安に感じる」「思考の本質を分かっていない」ということです。もちろん、単なる癖である場合もあり

ますが、それでも少しずつで結構ですので、小6の終わりまでには、不要な文字は書かないで考える事が出来るようにしてあげて下さい。

 

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■健全な中学受験の方法と注意点

 どんぐり問題は、中学受験用の勉強をするためのものではありませんので、

特殊な(年齢的に不自然な)出力形式に合わせることを要求される中学受験には、意図的に、そのままではピタリとは対応しないようにしてあります

 こうすることで、熟成度の高い健全な学習が可能になるからです。つまり、特殊な出力様式に合わせる不自然な学習を回避するための構造にしてあるということです。ただし、どんぐり問題で養成される力は、何にでも応用が利く「絶対学力」ですから、たとえ、特殊な出力様式である中学受験を攻略する場合にも大いに効果を発揮することは当然ですし、受験勉強の仕上げに不可欠なパターン学習を身につける場合にも、悪影響を最小限に抑えることができますので、準備次第では「健全な中学受験」が可能です。

※実例は別冊「健全な中学受験」として刊行してありますので御覧ください。注意していただきたいことは、一生を左右する「オリジナルの思考回路養成」と特殊で一時的で不自然な「受験勉強というパターン学習」との優先順位です。

 

<中学受験をする場合の優先順位>

1.十分な思考回路養成・・・どんぐり問題の消化

2.入試問題の分析・・・・・・1校限定

3.必要な受験勉強内容の特定・・過去問分析

4.個人用受験プラン作成・・・毎月修正

 

 オリジナルの思考力養成が出来ていない段階で受験用にパターン学習を取り入れてしまうと、そのパターンの問題にしか対応できなくなってしまいますので、応用も利かなければ受験後に要求される本当の学力(応用力)も育ちませんので要注意です。どんぐり問題で本当の思考力養成を終えている場合は、パターン学習を悪影響の少ない高学年で一気に進めることが出来ますので「健全な中学受験」が可能になります。通常でしたら小3・4・5・6と4年間かけて塾で難関校を目指して受験勉強をするところを、小6の夏からの半年で完璧に消化することができます。この期間は、御三家のような最難校の場合には1年半前の5年生の夏からになります。受験勉強に入る前までに「良質の算数文章問題」700題を全て自力で消化しておくことが前提となります。

そして、この受験勉強期間は、保護者によって3年間をかけて解析された志望校の過去問をもとに作られた学習計画に沿って受験問題集(大手の受験塾のテキストを使うことが多いですが、志望校に対応した部分しか学習しません)を効率よく消化する事になります。もちろん、ここでは志望校の設問に合わせた設問解釈中心のパターン学習になりますし、志望校によっては、暗記物も沢山ありますので、厳密な個別レベルでの学習予定表を作る必要があります。全く受験勉強をしないでどんぐりと過去問を2回解いただけで、中堅中学に入る子も毎年いることはいますが、「勝ちに行く」のなら、キチンと計画を立てます。もちろん、最後の仕上げの時期には、時間を測ってどの問題から解いて、どの問題を後回しにするか、あるいは解かないかを判定するシュミレーションもします。

 

※中学受験は、合格させるだけでいいのなら、決して難しいものではありません。そうではなく、健全な頭の成長を考えると時

期的にも精神的にも、人間としての成長段階を考えても、相当緻密に制御された環境下でなければ健全な中学受験は出来ない

のです。この時期の受験勉強は、それほど危険が充満しているのですから、するなら、心して臨むこと。学習手順を間違えずに、

子どもの変化を見逃さないようにして、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」を親子で実感できるようにしましょう。中学受験のスタンスは「社会との戦い方を親がお手本として準備段階から見せながら子どもに伝えること」です。受験勉強という機会を使って親の生き方、社会との戦い方を伝えるのが中学受験であると「どんぐり倶楽部」は考えています。

 

※高校受験は本人が計画を立て実践しますが、アドバイスは親がします。こうすることで、高校受験は、年齢的なことも相まって、自己確立をしながら社会との戦い方を身を持って味わうことが出来る、またとない機会となります。高校受験は中学受験とは異なり、進学する者も、進学しない者も区別なく必ず通るべき関門です。内部進学などで、この機会を逸することは、人間の成長にとって非常に大きな損失となります。

 

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*幼児・児童期の学力養成は家庭で「良質の算数文章問題」でして下さい。

■中学校教員の勤務環境などの国際調査結果
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140626-00000008-asahi-soci
経済協力開発機構OECD)は25日、中学校教員の勤務環境などの国際調査結果を発表した。
日本の教員は指導への自信が参加国・地域の中で最も低く、勤務時間は最も長かった

■オマケに小学校英語?やめておきなさい。
<参考:http://38sera.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04
豊橋市で先行実験的に実践した小学校低学年からの英語授業』の子どもたちが高校に入学する年齢になった。

→現場の英語教師に聴いてみると、ひどく低い学力だという事が分かった。

→そこまではいわなくても、少なくとも全く効果が無い(あるのは悪影響)ことは証明されているのです。

■どんぐり倶楽部は、元々は現場の先生達の役に立つようにと思って立ち上げた先生向けのHPなのです。実際に利用されている先生もいらっしゃいます。よく「学校に導入するのは無理」という言葉を聞きますが、大きな勘違いだということです。
http://reonreon.com/korokoro_school_p28.pdf

■考える力をつけるどんぐりの取り組み

gia
http://gaiacafe.exblog.jp/10452621
私には14歳の息子と5歳の娘がいます。息子が11歳になったころのことです。算数でつまづきました。当時流行っていた100ます計算を自宅でもやったり、何かいい勉強法はないか、いろいろ模索していたところ、どんぐり倶楽部の勉強法に出会いました。藁にもすがる思いだったので、早速、取り入れました。

最初の1ヶ月は、私はサリバンかと思うほどでした。

息子は「こんな問題、見たことがない!」「わからない!」と癇癪を起していたのを、サリバン先生のごとく、忍耐し続けました。どこからなら出来るのだろうと、問題のレベルを下げていったところ、なんと小2でした。そこからやり直しです。変化が表れ始めたのは1ヶ月を過ぎてからです。息子のほうから、問題に取り組み始めるようになったのです。息子のほうが私が言うより先に問題を解いていて、そのノートをさりげなく置いてあるのです。ノートを開けて「うわ~、すごいね~、もうやったの!」と褒めると、すごく嬉しそうに笑った顔が今でも忘れられません。

ある時のこと。息子はそばにきて、「お母さんは僕のことが好き?」と聞いてきました。「もちろん、一番好きに決まってるでしょ」というと、またまた嬉しそうでした。このときの息子の変化は、どんぐりの問題を親子でやりはじめたからだと今でも思っています。どんぐりの素晴らしさは、体験しないと伝わらないので、あまり人に伝えることはなかったのですが、同じような悩みを抱えている人がいるかもしれないと思い、MIXI内でどんぐり倶楽部のコミュニティを立てたりもしました。(今は管理人は譲っております)ここ数年はどんぐりと離れていたのですが、今、5歳の娘も始めました。(ここまで待っていたのです)息子のときのサリバン状態とは違って、まっさらな状態から始めたので、これがすごく楽しい!


■下記は、NHKエデュケーショナル創立20周年記念事業「10歳の壁」プロジェクトの報告書からの
 抜粋「取材ノートの一部」である。
http://donguriclub.hatenablog.com/entry/2014/04/07/222715
*報告書編集委員:六本良多氏(主任プロデューサー)の了解を得て掲載。
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 イメージ力と「10歳の壁」
 「10(9)歳の壁」という問題に強い意識を持っている人の一人が、教育アドバイザーの糸山泰造さん(どんぐり倶楽部主宰)だ。著書の副題にも『「9歳の壁」をどう突破していくか?』というフレーズを使っている。
 糸山さんは、学習塾で教えていた経験から「10歳の壁」現象に危機感を持った。小学校低学年で、同じような計算問題をくり返し練習するなどの「反復学習」を重ねてきた子どもたちが、小学3~4年生以降、なぜか学力が伸びなくなる。そうした現象に悩んだ末、独自の教育手法にたどりついた。算数の文章問題を、あえて式を用いずに、絵に描いて解く、という独自の方法論だ。問題文(「言葉」)を、時問をかけて、正確に「絵図」としてイメージする力こそ「考える力」だというのが持論だ。
 「子どもの力に大きな優劣はない、自分のペースで十全に生きてほしい」との思いを込めて「どんぐり倶楽部」を名乗り、インターネット経由で教材を提供。全国の学習塾や小学校、家庭などで利用者の輪が広がっている。
 糸山さんが開発したのは独自の算数の文章問題。そこには、いくつかの工夫がある。聞題文は必ず数行以内に納まる短いものにしている。昆虫や動物など子どもが好きなもののほか、あえて架空の生物を登場させ、想像力を使わせる。文面は親しみやすいものだが、問題の論理構造は、実は複雑で、単純な計算を覚えて当てはめれば解けるという問題はない。指導者が子どもに行う指示は「問題文に出てきたものを順番に絵に描く」ということだけ。子どもたちは時聞をかけて、具体的な虫や動物を思い浮かべながら描いていく。問題文の要素一つ一つを絵図に描くことで、複雑な論理構成が明快に見えてきて、最後は単純な計算で答えが出てくる。
 
 学習塾で見えてきた「10歳の壁」
 
 糸山さんをはじめ、各地の学習教室や塾で、子どもたちを見ている先生たちは、近年、子どもたちの異変に危機感を持っているという。計算ドリルは素早くできるのに、文章題になると、問題文に出てきた数字を並べ、デタラメに四則演算を試みる。問題の意味を問うと黙って思考停止してしまう。わからない文章題が続くといらだって立ち歩き、暴力的になったり、考えることを拒否する。そうした子どもたちの状態に悩む声は、どんぐり方式を採用しているいくつかの学習塾で聞いたが、それ以外の取材先でも多く耳にした。
 それだけではない。時間の感覚がなく、「A地点からB地点まで〇〇時間かかりました」という問題文の意味がわからない小学生や「いくつかの物を数人で分ける」状況が想像できない小学生なども少なくないという。その背景の一つとして、単純な計算を「基礎」として徹底反復するあまり、「自ら考えるカ」を失っている、という教育方法の問題があるのではないかという。糸山さんによると、反復ドリル学習や、正答のみを求める教育は、子どもが「覚えた」ことを吐き出すだけで、自分で「考える」必要がないため、考える力を失わせるという。「勉強以外の活動も……」と通わせる「習い事」の多くも、実質は「覚えた」ことをアウトブットすることに終始している、とも指摘している。
 また、もう一つの背景として、日常の中での「体験」が極端に貧弱化しているという生活環境の問題があるのではないかともいう。日常の移動はすべて親が車で送迎し(そのほうが親にとっても楽なため)、学校と家と習い事の教室をドア・トゥ・ドアで行き来するような生活や、親子の間の会話も「〇〇しなさい」といった「電報的」なコミュニケーションが多くなっていることなど、生活体験全般が貧弱になっていることがあるのではないか、と言うのだ。どんぐり方式を取り人れている塾の多くは中学受験を主目的にした進学塾ではなく、一般的な学習塾だ。統計的裏付けはないが、そうした現場で子どもたちを間近に見ている先生や保護者たちの実感こそが、子どもたちの異変の「兆候」を捉えているのではないだろうか。
 
 「論理構造」を意識させる「絵図」方式で
 「抽象概念」に気づかせる
 
 糸山さんの教育手法は独特だが非常に本質的なものを含んでいると感じた。今回の取材の観点から、2つの特徴に注目した。

 

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()「論理構造」を明確にする

 どんぐり倶楽部の方式の第一の効果は、文章問題の日本語が意味する「論理構造」を、絵に描くことで明確化すること。ここでの「絵を描くこと」は、情操を豊かに……という意味だけでなく、論理的な意味も持つ。問題文に出てきた言葉すべてを絵図にすることで、文の意味を正確に把握していくことになり、論理的な思考のプロセスが視覚化され、明確に意識されるようになる。情緒的な想像力と、論理的な思考力が分断されずに育っていくのだ。
 「クーズアップ現代・10歳の壁を乗り越えろ2009/06」の番組では、女の子が、やや複雑な算数の問題を、絵に描き、白問白答し、試行錯誤しながら解いていく様子を紹介した。与えられた計算法を使いこなすのではなく、その子自身が持っている等身大の考えや推論で答えにたどりつく、生き生きとしたさまが見られた。それは、彼女にとって楽しいプロセスであるらしく、もともと苦手で嫌いだった算数が、絵を描いて解くことで好きになった、と答えていた。

 

(2)「抽象化」過程をはぐくむ
 もう一つの特徴は、長期的に現れてくるものだ。どんぐり方式の問題をいくつも解いていく中で、「具体的な思考」から「抽象的な思考」へと、自然に移行していくのだ。
 例えば、最初は具体的なアリやカプトムシを1匹ずつ絵に描いていた子が、やがて、それらを〇印などの抽象的な図で表すようになる。〇印で、日の前にないアリを表す、という「抽象化」を自らやるようになるのだ。
 あるいは、「大きな数」の概念を獲得するプロセスがある。最初のうちは問題文に出てくる「80個」や「100人」を一つーつ全部絵に描く子がほとんどだが、問題を解き進むと、やがて「1000」「10000」という数が問題に出てくるようになる。すると、一つ一つ描くのが「面倒くさくなって」、自然に、1個や1匹ずつ描くのではなく、10や50、100をひとかたまりとして描くようになる。大きな数の概念は教え込もうとしても難しいものだが、どんぐり方式では自分で工夫しながら気づいていく、というプロセスが起こるのだ。
 別の例では、「演算」の概念を獲得するプロセスもある。最初は一つ一つ絵に描いたものを「数えて」答えを出していた子が、ある時、数えるのが面倒になって「足し算」を使えばよいことに気づく。そして「足し算」をくり返していくプロセスを経て、やがて、「掛け算」を使えばいいことに気づいていく、というプロセスをたどる。番組では紹介できなかったが、取材で訪れたどんぐり方式を取り入れている福岡県の学習塾の女の子(小学5年)の過去の答案にそのプロセスが残っている。その女の子は、3年生の時に塾に入ってきた。以前は、計算練習を重んじる別の塾に通っていて、小6レベルといわれるほど許算が得意だった。しかし、この塾に入ってきた時、掛け算が必要な文章問題を前にしても、自分で「掛け算を使う」という判断ができず、手が動かなかったという。計算問題の形式になっていれば、覚えた九九を実行するだけなので答えられるが、彼女は掛け算の「意味」がわかっていなかったのだ。こうした事象は教育現場でよく聞かれる。「これは何算の問題」と尋ねてくる子どもが増えた、と嘆く先生が多いのだ。その女の子は、どんぐり方式を始めてしばらくは、絵に描いたものを一り一つ「数えて」答えを出していた。数か月後の答案では、一つ一つ数える代わりに、「足し算」をすればいいことに気づき、「+」の式が登場した。さらに半年たった後、「足し算」をくり返す代わりに、「掛け算」を使えばいいという発想に至り、「掛け算」という演算が実感を伴って使えるようになっていった。足し算や掛け算という抽象的な概念を「覚える」のではなく、具体的な工夫を重ねることで身につけていったのだ。
 
 問題文というワンダ一ランドの中の「総合学習
 
 どんぐり方式では、指導者は解き方を教えない。子どもが持っている手がかりは「絵図に描く」という方法だけ。最初のうちは問題に出てくるアリやカブトムシを好きなだけ詳しく、きれいに描いてもいい。いくら時間をかけてもよい。問題が解けた楽しさ、うれしさを経験するうちに、そうしたことは省略されていき、おのずと抽象化されていく。どんぐり方式では、子どもが自由に時間をかけて試行錯誤してよい。100以上のものを一つ一つ描いて数えてもかまわないし、足し算や掛け算を使っても構わない。通常の、段階ごとに定められた手法を順番に身につけ、階段状に上っていくという、コースの決まった教育プロセスではない。
 山を探索しながら好きなルートで登るように、さまざまな体験をし、それらを通して知見や学力を身につける「総合学習」「プロジェクト型学習」に近い。一冊の問題の中のワンダー(驚き)を自由に探検していく、いわば、「ミクロな総合学習」と言えるのではないか。
 
 意欲を取り戻す
  絵を描くことから考えるペースをつかんだ折どもたちには、学力だけでない効果も現れるという。東京都内のある学習塾では、数年前からこで学ぶ子どもの一人(小4)は、一年前に初めて来た時は、落ち着きなく立ち歩き、先生の言うことも聞かず、計算はできても文章題は拒否。お笑い芸人のマネを執拗にくり返したり言い訳をして「考える」ことを拒否していた。しかし「どんぐり方式」で絵を描いて考える術を身につけた後は、文章題を次々と自力で解くようになった。問題文の内容を独り言で語りながら、色鉛筆を使ってったない絵を描いてじっくり解いていく。考える力がついてきた彼は、落ち着いて机に向かうようになり、行き帰りのあいさつも自然と出るようになったという。